NASA/JPLに行ってきた話



NASAの研究所(NASA/JPL)に行ってきました。色々と面白いものを見たので、メモとして残したいと思います。写真の左にいるのが僕で、隣にいるのはNASA/JPL (Jet Propulsion Laboratory) で研究・調査しておられる福森さんです。研究としては、地球上の海面の高さを測ることによって、温暖化の進行具合などを測定する研究をしているそうです(専門が違うので、詳しくはわかりません)。実はいうと僕の母の同級生で、それをきっかけに今回案内して頂きました。

まず、NASA/JPLに入るためには許可証が必要になります。そのため事前に、パスポートやVISAなどの必要な事項を書類かWebサイトに記入し、提出して予約をします(僕の場合は福森さんに提出して頂きました)。当日は、Visitor receptionでパスポートをもう一度見せ、案内者(福森さん)のサインが必要でした。それが済むと無事に中に入ることができます。


JPL (Jet Propulsion Laboratory) について
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NASA/JPLは、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)の研究施設であり、NASAの無人探査機等の研究開発及び運用に携わる研究所です(若干ややこしいですが)。戦争があった時代に、戦争兵器を作るために、アメリカの政府はアメリカの各大学へ莫大な資金を与え、現在のシリコンバレーや世界トップの大学が構築されたという歴史があります(詳しい歴史は、こちら)。カリフォルニア工科大学もその一つです。カリフォルニア工科大学の研究所では、ロケットやミサイルの研究が行われていました。その研究所が、現在のJPL(Jet Propulsion Laboratory)に至ります。

福森さんによると、当時は宇宙ロケットなどはSFのものとして考えられていたため、公に宇宙のロケットや衛星を開発しているなどとは言えなかったそうです。そのため、Jet Propulsion Laboratoryと名付けられました。そして1958年より、NASAの宇宙探査計画などに携わるようになりました。
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一番最初に訪れたのは、アメリカで最初に打ち上げられた衛星「Explorer 1」です。下の写真がその衛星です。

先端に衛星が取り付けられており、それ以外がロケットになっています。世界で最初に打ち上げられた衛星は、ロシア製の衛星ですが、その衛星はデータを採取することせず、ただ衛星として地球を周回するだけの衛星でした。つまり、NASAの「Explorer 1」は、世界で初めて地球上の周りにあるデータを採取した衛星だそうで、「Explorer 1」はヴァンアレン帯を初めて観測した衛星です。

次に見たのが、現在も稼働中の「Voyager 2」という無人宇宙探査機です。1977年に打ち上げられたので39年(現在2016年)も運用されています。木星・土星・天王星・海王星の4つの惑星に接近した唯一の探査機であり、現在は太陽圏を越えた世界の観測をしています。

すごいのは、1977年に作られたこの探査機は、ハードウェア的なものは変わらないものの、システムのアップデートが可能であり、現在もアップデートしているそうです。ちなみに、写真の左側に写っているのが、プルトリウムか何かで発電可能なバッテリーです。このバッテリーは、他のロケットにも装着されており、太陽光が届きにくい場所(木星よりも遠い場所)へ行くときにはこのバッテリーを使うそうです。それから、写真の右側に写っているのが、カメラなどの観測機材です。そして、真ん中の大きなアンテナが電波を受信したり送信したりするアンテナです。

下の写真は、動画が内蔵されたレコードで、地球がどういうところなのかがの紹介ビデオが収録されています。各国の言語で「こんにちは」という音声が内蔵されているそうです。そして、レコード盤の表には、地球に関する情報を記した図が刻まれています。レコード盤の右上の図がどのようにこのレコードを再生するかを記した図で、右下の図が水素分子を表しており、人類がどの程度の知能を持っているかを示した図です。それから、左下の図は地球がどこに位置するのかを示しています。

このレコードは、エイリアンが「Voyager 2」を捕まえることを想定していて、「Voyager 2」を捕らえることができる生命体であれば、このレコードを解読できるだろうという意図で作られたそうです。他にもいくつか探査機を見ましたが、僕的には「Voyager 1」、「Voyager 2」が歴史的にすごいなと思います。

次に訪れたのが、衛星が作られている施設です。空気中のカビやホコリなどを避けるために、部屋は密閉されています。僕が行った時は、特に何も作ってなかったので残念でしたが。


次に向かったのはテスト施設です(下の図)。実際に飛ばす探査機や衛星をほぼほぼ再現したものをここでテストするそうです。斜面や障害物があった場合に実際思い通りに動くのかをテストするようです。おそらく実機もテストすると思いますが、観光客や外部の訪問客(他の会社の人たち)に見せる用の物はここまでだと思われます。


次に訪れたのは、外に設置されたテスト用のグラウンドです。下の写真に写っているのはCuriosityという探査機(火星で現在も稼働している)の観光客用おもちゃです。Curiosityのタイヤには、"JPL"という文字列をモールス符号で表した型が掘られています。元々NASAのエンジニアが、遊び心で"JPL"という文字列の型をタイヤに掘って、地面にJPL, JPL, JPL..  と火星に記しをつけるようと考えてたらしいですが、NASAの本部から断られ、モールス符号表記になったそうです。「どこのエンジニアも遊び心があるんですよ」と福森さんがおっしゃってました。僕もそう思います。

映画オデッセイ(火星に一人置き去りにされた宇宙飛行士の物語)で主演のMatt Damonもここに訪れたそうです。手形が倉庫にあるということで、福森さんが倉庫にいる人に電話をしたのですが、Thanksgiving前日だったのもあって誰も倉庫にいなかったため、見れませんでしたorz。

最後に訪れたのは、NASA JPLの電波受信施設です。アメリカ西海岸(カリフォルニア州)のゴールドストーン深宇宙通信施設、スペインのマドリード深宇宙通信施設、オーストラリアのキャンベラ深宇宙通信施設の3箇所に、宇宙探査機からの電波を観測するバラボラアンテナがあるのですが、それらの情報をここで収集しています。なぜ3箇所かというと、地球は自転しているために、1箇所や2箇所だけでは電波を安定に受信することができないという理由から、地球上の3箇所の異なる場所にアンテナを立てているそうです。



この施設の中心には、下の写真のようなオブジェクトがあります。これはNASAがいたずらごころで作った宇宙の中心だそうです(ちなみに、宇宙は無限に広がっているために中心がどこかわかっていません)。


それから、その施設内に下のようなディスプレイがありました。左側に表示されているものは何か忘れましたorz。右側に表示されているのは、現在、太陽系にあるそれぞれの惑星を探査している宇宙探査機が表示されています。一番上に表示されている衛星は「Voyager 2」で、39年運用されているということを示しています。それから、上から順に「Voyager 2」、「Voyager 1」、「Cassini」というように宇宙探査機の名前と運用年数が列挙されています(これらはすべて現在も運用中です(2016年地点))。


また、その施設内にはテレビでよく映される特別室がありました。


それから、ロケット離着陸を見守る際に、縁起物として食べられているピーナッツが展示されていました。たぶん結構重要なものなんだと思います(笑)。


最後に、NASAのグッズショップで買い物をして、帰りましたとさ。両親のお土産含む。


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